住宅ローン審査では何をチェックされるのでしょうか。
国土交通省が毎年発表する調査結果をご紹介します。
出典:平成26年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書
1,305銀行の回答をもとにした調査結果です。
9割以上の銀行が考慮すると回答した項目を具体的に見ていきたいと思います。
◎完済時年齢[99.3%・1,296件]
具体的には「80歳未満」が1,026件と、ほとんどの銀行で用いている基準となっているようです。
◎借入時年齢[97.6%・1,274件]
具体的な回答は「その他」が782件と最も多く、次いで「65歳未満」が290件となっています。
◎返済負担率[96.6%・1,260件]
年収に関わらず一律決めている場合の具体的な返済負担率で最も多かったのは「35%以内」という回答でした。
但し、返済負担率を考慮するという回答が1,260件の中で、「35%以内」という回答数は48件です。
年収に応じて異なる場合については自由記述で回答することになっており、この回答結果は公開されていませんから、年収に応じて基準を設けている銀行が多いのではと推測します。
◎健康状態[96.3%・1,257件]
このうち、「団信加入が必要」という回答が1,079件ありました。
◎担保評価[96.3%・1,257件]
「融資判断に影響する」と回答したのは835件、「融資判断の参考にする」と回答したのは367件です。
なんらかの影響はあるとみておけば間違いないと思います。
◎勤続年数[95.9%・1,251件]
最も多い「1年以上」が681件、次いで「3年以上」が376件という結果です。
最低3年であれば間違いなしという感じでしょうか。
◎年収[94.8%・1,237件]
最も多い「150万以上」が528件、次いで「100万以上」が290件、そして「200万円以上」が219件という結果です。
200万円以上あれば安心できそうです。
◎金融機関の営業エリア[91.9%・1,199件]
「エリア内に居住」が1,058件、「エリア内に勤務」が671件となっています。
ネット銀行はどういう回答をしているのかは正直分かりませんが、基本的には身近な銀行とやりとりするのがよさそうということでしょうか。
◎融資可能額(融資率)[購入:91.6%・1,196件、借換え:91.5%・1,194件]
購入の場合のみ解説すると、上位から「100%以内」で816件、「その他」170件、「80%以内」167件となっています。
◎連帯保証[90.3%・1,178件]
具体的な回答として「系列保証会社の保証が必要」824件、「外部保証会社の保証が必要」482件となっているところをみると、保証会社による保証は必須と考えてよさそうです。
なお、融資審査において、「スコアリング方式」によって審査をしているか?という質問に対しては、58.1%が「スコアリング方式では審査を行っていない」、27.2%が「スコアリング方式により一部審査を行っている」、14.7%が「スコアリング方式を中心にして審査を行っている」となっています。
スコアリング方式:申込者のデータにより審査項目(年収、返済負担率等)毎に点数を付け、その合計点によって融資するか否か等を決める方式。
ですので、上述の考慮される審査項目を意識する必要はありますが、すべてがデジタルに決まるというものではないようです。
住宅ローン検討の参考になれば幸いです。